理事長挨拶
President’s
statement
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- 福岡青年会議所について
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一般社団法人 福岡青年会議所
2026年度理事長所信

理事長 伊東 健太郎
はじめに
日本の未来が明るいと自信をもって言える人はどれだけいるでしょうか。
進み続ける少子高齢化による人口減少で、消滅可能性都市の存在が叫ばれたり、技術大国とかつて言われた日本も他国と比較すると技術革新が進んでおらず、日本経済の先行きが不透明であったりと不安なことをあげればきりがないほどあります。
日本におけるJC運動の始まりとされる1949年9月3日に採択された「青年会議所設立趣意書」の冒頭には「新日本の再建は我々青年の仕事である」と記載されており、日本の未来を自分たちの力で創る決意をしました。社会が不安で満たされているときこそ、「明るい豊かな社会」という希望の光を灯し、次世代のために未来を創ることが私たちの変わらぬ使命なのです。
1949 年の戦後の状況とはもちろん違いますが、次世代の子どもたちが未来へ希望をもって成長していくためには、今こそ日本のそして福岡の理想の未来を本気で考え、本気で実現できるように動いていく必要があります。目の前の課題に囚われず、今の私たちが理想の未来を描き、しっかりと実行していくことは、簡単なことではありません。理想の未来を描き、それを実現しようとするなかで、時に無理だと言われ笑われることもあるでしょう。しかし、当事者意識をしっかりともってその理想を実現するべく行動していくことが未来を創るということであり、今の私たちに求められていることなのではないでしょうか。私たちだけでは未来を創ることは当然できませんので、産学官民を巻き込み、変革のうねりを起こすべくJC 運動に邁進していきましょう。
福岡のまちと一体になってこそのJC運動
過去の先輩たちが行ってきた様々な福岡青年会議所の事業は、間違いなく福岡のまちのためになっていますが、その一方で福岡青年会議所による事業であることが、十分に福岡のまちに認識されていなかったり、どんな運動を行っているのかをうまく周知できていなかったりすることが多々あります。2025年度から開始したSNSを活用した福岡市民に対する福岡青年会議所のブランディングは一定の成果を間違いなくあげています。ブランディングは1年で達成できるものではなく、継続していく必要があります。2026 年度も福岡青年会議所のブランディングを行い、ファンを増やしていきます。福岡青年会議所が実施している事業に共感していただき、参加していただくことはもちろんのこと、入会して一緒に活動をしてみたいと思う人が増え、そして福岡青年会議所のこの事業に協力してみたいと思う企業が増えることを目標にしていきます。福岡のまちから真に愛される団体になったとき、私たちの運動が今まで以上に効果を発揮するはずです。
エンゲージメントが高まることによる効果
200人に近いメンバーがいる福岡青年会議所ですが、そのうち何名が青年会議所に本気で向き合い、福岡のまちを本気で変えていきたいと思っているでしょうか。残念ながら100%のメンバーがそう思っているわけではないと思います。より多くのメンバーを巻き込むためには、福岡青年会議所への帰属意識を育んでいくことは欠かせません。そのために、福岡青年会議所が今年どんなことに力を入れていくのか、そしてどのような未来を目指しているのかといったビジョンをメンバーにしっかりと認識してもらう必要もありますし、メンバー同士のコミュニケーションを促進し、横のつながりを強固にしていく必要もあります。一人ひとりの意識改革の結果、今まで以上にマンパワーを発揮できる組織へと変貌を遂げ、ピーク時には400人を超えていた当時の福岡青年会議所にまちへの思いだけでなく、まちからの期待の大きさで負けない組織を作っていきましょう。
福岡のまちの可能性
日本とアジアの玄関口である福岡市は、ソウルや上海など東アジアの大都市に近く、2,000年以上にわたり外交・貿易の要衝として発展してきました。アジアのGDPは急速に成長し、2030年には世界の成長の60%を占めると予測されています。その立地とAIなどの新しい技術を組み合わせて持続的な経済発展を成し遂げる必要があります。新しい技術により、生産性を高めることで人手不足を解消するとともに、所得のみならず、ワークライフバランスを向上させることで、豊かな暮らしを目指していく必要があります。新たな技術を活用し、創業できる環境づくりの加速、そして既存のビジネスから新たなビジネスを生み出す第二創業に関しても加速させていくことで海外から見ても魅力的なビジネス、そして福岡のまちという魅力的な市場を生み出す必要があります。
また、福岡市は国際金融機能の誘致に取り組んでいます。天神ビッグバンで生まれたオフィススペースの活用にも重要ですが、福岡のまちから起業をしてGAFAMのような世界で戦うことのできる企業を育てていくためには、ベンチャーキャピタルや国際的な取引を行っている金融機関が必要になります。既に複数の企業誘致に福岡市は成功していますが、これから、海外の金融機関がより福岡のまちに魅力を感じてもらうためには、福岡における金融人財の育成や国際社会で生き抜く力をもった人財が必要になります。福岡のまち全体として、金融リテラシーを高めていくことで福岡のまちが香港やシンガポールを超える国際金融都市になる未来の礎を築いていきましょう。
福岡のまちの明るい未来のために
福岡のまちが中長期的に発展し、素晴らしいまちであり続けるためには、今福岡に住み暮らす子どもたちにかかっています。この福岡のまちを心から愛し、福岡のまちのことを本気で考えてくれる子どもたちが増えれば増えるほど福岡のまちの未来は明るくなります。2022年に策定した5 か年計画であるこども未来都市宣言から3 年間が経過し、グローバル・アート・アクションスポーツをテーマに福岡のまちで事業を実施し、まちに一定の変化をもたらすことができました。今年度も継続するとともに、深化を図る一年にしていきます。福岡のまちは社会の成熟が進み、人々の価値観や生き方が多様化したことで、画一的な幸福の形は存在せず、幸福の形も個々人によって異なります。その中で心身が健康で、社会的にも満たされた状態である「ウェルビーイング」が求められます。グローバル・アート・アクションスポーツを通じで、子どもたちが自らの幸せを見つけることができる環境を整えていきます。また、事業実施のあとには、こども未来都市宣言の再定義をし、次年度以降へと繋げていきます。
まず、グローバルに関してですが、コロナウイルスの収束により、インバウンドは盛り返してきた一方で、外国の方に話しかけられた際、笑顔で対応し簡単な英会話でコミュニケーションをとることができるというよりは、おどおどしている日本人の姿をいまだによく見かけます。今、福岡に住み暮らす子どもたちが不自由なく国際交流することができる状況をつくることで、子どもたちが世界を知り、そして改めて福岡のまちの魅力に気づくことができます。世界には姉妹JCである釜山JC、城市JC、サウスサイゴンJCをはじめ、120か国以上の国でのネットワークがありますので、今まで以上にそのネットワークを活用していく必要があります。
また、このVUCA時代(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguityが特徴的な予測困難な時代)を生き抜くために、アートやスポーツを通じて子どもたちの感性が磨かれる必要があります。絵を見ることを通じて、その絵の背景や隠されたストーリーを学ぶことや、受動的に目に入るテレビやインターネットでの動画配信とは違い実際に絵を描き、自己表現をすることで子どもたちの感性を育むことができます。スポーツに関しても同じことが言えます。実際に体を動かし汗を流すだけでなく、時に仲間とともに涙を流すこともあるでしょう。その過程で子どもたちの感性は間違いなく磨かれていきます。芸術文化・スポーツ文化が福岡のまちのなかで確立されること、そしてこのまちに根付かせることが必要になります。
産学官民の連携を活用する
福岡青年会議所は基本的に自分たちの会費で公開例会や事業を行う独立自尊の組織ゆえ、自分たちで議論を交わし、自由に運動を発信できているわけですが、我々だけでできる運動の大きさには限界があります。2024年度に福岡青年会議所が主管LOMとなって実施された全国大会において、産学官民と連携した際に生まれたエネルギーやまちの変化を私たち自身が体験したと思います。私たちの運動を最大化するためには、産学官民と連携していく必要があると同時に、我々が連携に値する団体である必要があります。関係各所に対してのヒアリングはもちろんのこと、中長期的な良好な関係を維持していく必要があります。単年度制の青年会議所において、来年以降への引継ぎが最も重要になります。やりっぱなしには決してせず、また我々とタッグを組んで福岡のまちを盛り上げていきたいと思ってもらえる団体であり続けましょう。
持続可能な組織であるために
会員拡大は年齢制限がある我々の団体において必要不可欠です。私たち福岡青年会議所が福岡のまちに対して運動を起こしていく中で、仲間の数が多ければ多いほど、運動がより多くの福岡市民に拡散し、福岡のまちに多くのインパクトを残すことができます。福岡青年会議所のみならず、各地の青年会議所で会員減少が問題になっています。会員数が減り続けているイメージもありますが、日本全体で見ると2000年からコロナ禍以前の2019年まで、20歳から40歳までの人口1万に対して11人の会員数という割合は変わっていません。全国での平均になるので、単純に福岡に置き換えることはできませんが、福岡市は現在20歳から40歳までの人口は約44万人いますので、まだまだ拡大の余地は間違いなくあります。私たちメンバー全員で本気で取り組んでいく必要があります。その一方で、どんな人でも入会することができる団体で我々はあってはいけません。我々に共感してくれる志が同じくする仲間を探していく必要もあります。青年会議所内だけの交友関係ではなく、様々なところに顔を出し、積極的に仲間を見つけていきましょう。
また、福岡青年会議所の門を叩いた新たな入会者たちが、当たり前のように当事者意識をもってまちの課題に対し向き合っていく環境をつくる必要があります。誰かがやってくれるという思いを捨て、自らが周りの人たちを巻き込んで事態を打開していく人財が多くなればなるほど、今まで以上のスケール感で事業を実施することができます。研修委員会だけが新たな入会者に研修をすればいいという意識は捨て、新たな入会者への研修は福岡青年会議所のメンバー全員で行っていく意識をもって意味のある研修を実施していく必要があります。
時代とともに進化できる組織
福岡青年会議所には不文律を含めるとかなりの数の規則があり、すべてが今の時代に即しているかどうか見直す必要があります。持続可能な組織であるためには、常に今年度だけでなく、5年度、10年後の未来の運営を見据えて自分たちの組織の見直しをやっていく必要があります。ただ一方で、我々は長い歴史を紡いできた組織でもありますので、経緯や当時の状況をしっかりと把握したうえで判断し、それを記録に残していくことが求められます。我々が大切に守ってきたものはしっかりと残して次の世代へと繋げ、時代にそぐわないものは変えていくことで、組織として進化していきましょう。また、福岡青年会議所のメンバーの時間は無限ではありません。限られた時間を有効に使うことが、最大の成果を生み出す原動力となります。組織の見直しを行った上で、常に効率的な運営を考えることにより福岡青年会議所として最大限のパフォーマンスを発揮できます。
JCの無限の可能性
JCには様々な機会があります。もちろんすべての機会を取りにいくのは難しいですが、その機会で得た知識や人脈というものは多ければ多いに越したことはありません。福岡青年会議所のなかにも多くの機会が散らばっています。趣味の会への参加やOBとの交流や姉妹JCとの交流を積極的に行うことで、普通に暮らしていれば出会うことがなかった人に出会う可能性もありますし、ビジネスの機会を手に入れることができるかもしれません。まずは福岡青年会議所にすでにある機会を使い倒してみてください。その上で、福岡ブロック協議会、九州地区協議会や日本青年会議所への出向も考えてみてください。新たな出会いや成長が各出向先であると思います。私自身も2024年度に日本青年会議所に委員長として出向しましたが、そこで出会う他の青年会議所のメンバーからかなりの刺激を受けましたし、その際に多くの出会いがありました。学んだことや人脈をしっかりと福岡青年会議所に還元していくことで、より強い組織へと変えていきましょう。
常に感謝の気持ちをもって
私たちの青年会議所での活動や運動は家庭や会社の理解の上に成り立っていることを意識し、常に感謝の気持ちをもって行動をしてください。JCにおける会議への参加によって夜の時間に家庭において不在にすることもあるでしょう。その際、配偶者やほかのだれかが、あなたに代わって家事や育児をしています。ときに、仕事をはやめに切り上げる必要があるときもあるでしょう。その際はあなたの会社の誰かがあなたのサポートをしてくれています。家庭や会社をないがしろにすることは本末転倒であり、まちづくりをする団体として、やるべきまず第一歩は私たち自身の手が届く範囲での周りの人たちを幸せにすることです。家族や会社に共感を得られない状態で、福岡のまちに住み暮らす人たちから私たちの運動に共感を得られることはないでしょう。
最後に
まちを変えることは簡単なことではありません。ただ、私たちが変わってほしいと願うだけでは絶対に変わりません。私たち自身が当事者意識をもって行動に移さない限り、福岡のまちは変わりません。私たち自身がまちの未来を想い、具体的に実行できた時、福岡のまちは変わります。このJCという団体に所属した以上、常に新しいチャレンジをし続けてください。JCしかない時代ではなく、JC以外にも様々な団体がありますが、未来を見据えて、時に周囲の方々から不可能だと思われることも挑戦し続けることが許される団体はJCしかありません。5年後、10年後、さらにその先の未来を見据えて運動をし続けましょう。また、JCは前向きな挑戦による失敗が許される団体でもあります。新しいことをやる際に失敗を恐れることもあるかもしれませんが、前向きな挑戦のなかで生まれた失敗は次年度以降の成功のための貴重な糧となります。今年失敗したとしても、次年度以降のメンバーが必ず、それを教訓として成功に結び付けてくれるはずです。1年間という時間は長いようであっという間です。失敗を恐れず、福岡のまちのための一歩を強く踏み出し、圧倒的な当事者意識をもってともに未来を変えましょう。

